百物語 その4 「田子ノ浦」

朝早く。私はあの人の犬を連れ浜辺を散策する。
犬が可哀想なので、アスファルトが灼けてしまう前にと始めたのが日課となり、すっかり肌寒くなった今でも続いている。浜辺からは、今日も富士山がよく見える。その頂は、うっすら白くなり始めている。あそこが真白になると、山小屋で働いている主人が、まっくろな顔をして帰ってくる。私は貞淑な妻の顔をして、おかえりなさいと言うのだろう。
この子と一緒に散歩をするのも、あと何回だろう。
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