百物語 その5 「鹿」

新しい枯葉は、踏む度にかさりかさりと音を立てる。私はその音に怯えながらも、急いで山を降りて行く。

遠くで獣の声する。その悲しげな鳴き声は、伴侶を失った牡鹿のものだろうか

明日からは、私も憐れみを誘うため、あんな風に鳴かなければならない。できるだろうか。いや、きっと出来るはずだ。

この手で、命を奪い亡骸を埋めたからといって、妻を失って悲しいのは、本当なのだから。

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