百人一首物語その71 「門田」

新人研修の初日を終えると、このあと、夕食もかねた歓迎会が開かれるという。僕らは、慣れない背広を早く脱ぎたいと思いつつも、研修室を出て会場へと向かう。僕らが着くと、社長を始め、人事部の鈴木さんやエライ人が既に集まっていて、あわてて用意された席に着く。
社長が挨拶を始める。頬を上気で染めた社長は、挨拶もそこそこに、こう切り出した。
「今日は素敵なゲストをお迎えしております。なんと、あのスーパースター!!」
社長が両手を一杯広げ、2人の男性を紹介した。
「不惑の英雄、元西武の門田選手と、現・日ハムの稲葉選手にお越し頂きましたー!! 拍手ー!!」
会場にまばらな拍手が上がった。
だって、僕ら、野球あんまり知らないし。
会場に秋の風が吹いたような気がした。



「夕されば 門田の稲葉 おとづれて 蘆のまろやに 秋風ぞ吹く」
夕方になると、門の前の田んぼの稲田が音を立てて、この山荘に秋風を吹かせるのですなぁ。

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