百人一首物語その86「月」

そんな訳で、僕は、母方に狼男の血を引いている。
だから、満月の夜ともなると、こう、血が熱くなって仕方がなくなるのだ。
嗅覚・聴覚が鋭くなり、身体能力も段違いに高くなる。流石に耳が生えてきたりしないけど、本当、自分としてはワイルドさ6割増しっ感じになっちゃう。
とは言っても、僕は生粋の日本人なので、狼の方も日本産。
つまりは、絶滅したニホンオオカミの血なので、いささか迫力には欠けるのいかもしれない。ニホンオオカミの現存する標本を一度だけ見た事があるけど、それは思ったよりずっと小さいもので、昔話とかからイメージしていたから、ちょっとガッカリすると共に、もの悲しくもなってくるのだ。
月夜に吠える僕は、あの剥製となったニホンオオカミの気持ちがわかる気がする。たった1人、生き残り、山を放浪していた、その気持ちが。
だから、今日みたいな月の日は、涙が出てしまう
僕の中の狼の血が、そうさせるのだ。
あの剥製にされた狼の悲しみが、そうさせるのだ。
「嘆けとて  月やは物を  思はする  かこち顔なる  わが涙かな」
なんか、月に嘆けと言われた気がする。そんな感じにかこつけたい、僕の頬の涙なのだわ。

 

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